2011年 04月 05日 ( 1 )

放射能対策(4)~水・食品…わたしたちに出来ること

前回の記事では、大気中の放射能から身を守る対策について書きました。

今回は水や食品を摂取する場合の放射能対策について考えてみたいと思います。

◎水道水の汲み置きをする場合の注意点
◎放射能対策に「昆布」は有効か?
◎野菜、穀物を摂取する場合の放射能対策

以上3点について検討していきます。


〈水道水の汲み置きをする場合の注意点〉

「水道水が放射能で汚染されている」というニュースが流れてからというもの、ミネラルウォーターが手にりにくい事態が続いています。

手に入らない場合には水道水の汲み置きの活用も考えていかなければなりません。
その時に注意することとしては、

●清潔でふたができる容器を用意
●水が空気に触れないように口元まで水を入れる
●直射日光が当たらない冷暗所で保管する
●塩素の殺菌効果が持続する3日以内に飲みきる
●煮沸により水道水のヨウ素濃度は高くなる

ヨウ素の半減期が8日ということから、汲み置いて8日たった水を使用するという話も耳にしますが、その場合は水の腐敗が心配です。

煮沸して消毒するという方法もありますが、長時間の煮沸はおすすめできません。
東大病院放射線医療チームにより「煮沸によって水だけが気化し、水道水のヨウ素濃度は高くなる」という結果が報告されています。

(参考リンク)
●水道水の汲み置き活用を
https://aspara.asahi.com/column/eqmd/entry/jfMZB1A8VA
●東大病院放射線医療チームのブログ
http://tnakagawa.exblog.jp/



〈放射能対策に「昆布」は有効か?〉

「放射能には昆布が効く」という話、誰しも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

放射性ヨウ素を体に取り込む余地をなくすために(放射性でない)ヨウ素を食品から摂取しておこうという考え方ですが、この場合「どれくらいの量をどれくらいの期間にわたって摂取するか」ということが健康への影響を考える際にとても重要になってきます。

ヨウ素は一日にどれくらい必要なのでしょう。

■成人の一日の所要量(厚生省1999年)0.15mg
(欠乏症を予防するのに必要量を満たすのに充分な摂取量)
■成人の一日の許容上限摂取量(厚生省1999年)3mg 
(毎日摂取しても安全な一日の最大摂取量)

「放射能対策には昆布50グラムを!」などという話がありますが、
昆布50gに含まれるヨウ素は65mg、上の数値を見ると、
許容上限摂取量の20倍以上、はるかに超えていることが分かります。

ヨウ素は過剰に摂取しても、健康な体では排出されますが、
慢性的な過剰摂取では、排出しきれずに健康に悪影響を与えます。

ヨウ素の過剰摂取によって引き起こされるものとしては、
甲状腺肥大や甲状腺腫、甲状腺機能低下症などがあります。

そして特に注意が必要なのは妊婦さんです。
熊本大学医学部附属病院によると、ヨウ素の過剰摂取は母体だけでなく
新生児の甲状腺にまで影響を与えてしまう
と警告しています。

甲状腺に障害を受けた新生児は、TSHの血中濃度が上昇する高TSH血症になり、9割は甲状腺ホルモンを一生服用する必要が出てくるとのこと。

放射能から身をまもるために一生懸命食物からヨウ素を取り込んで、
その結果がお母さんと赤ちゃんの健康被害だとしたら…
なんともやりきれません。

また、日本核医学会は「食物中、土壌中のヨウ素量の多い日本では、通常の食生活を行うことで十分にヨウ素を摂取できており、自然と甲状腺は安定ヨウ素で満たされています。ごく少量の放射性ヨウ素が簡単に健康に影響するほど吸収されることはありません。」としています。

●昆布などヨウ素を含む食品は少量を継続的に摂取するのが好ましい
●ヨウ素の過剰摂取は健康に悪影響を与える
●特に妊婦さんは注意が必要。母体だけでなく新生児に悪影響を与える
●日本の食生活、土壌においては十分にヨウ素を摂取できている

(参考リンク)
●妊婦さんの昆布取りすぎ注意!(熊本大学医学部附属病院)
http://www.kuh.kumamoto-u.ac.jp/health/no1.html
●被災者の皆様、とくにお子さんをお持ちの被災者の皆様へ(日本核医学会)
http://www.jsnm.org/japanese/11-03-18



〈野菜、穀物を摂取する場合の放射能対策〉

財団法人原子力環境整備センターの
「食品の調理・加工による放射性核種の除去率」という食品についた放射能の除去試験に関する資料があります。

放射能を除去する方法として有効なものは以下の通りです

●葉物に関しては水洗いと煮沸によりかなりの放射線が除去できる
●キャベツやレタスなどは外の葉は使わず内側の葉をきれいに水洗いして使う
●玄米よりも精米された米のほうが安全である
●全粒粉やグラハム粉よりも精製された小麦粉の方が安全である

詳しく見てみると、
野菜類のキュウリ、ナスは、水洗するとストロンチウム-90の50~60%が除去され、葉物であるホウレンソウ・春菊等は煮沸処理(あく抜き)によりセシウム・ヨウ素・ルテニウムの50~80%が除去される。

米麦類の放射性物質であるセシウム-137には穀類の外皮(籾)に多く、
また玄米の胚芽に集まっている。精米すると65%が除去される
(農林省・農技研、1984)
小麦についても同様であり、製粉によって20~50%が除去されている(Delmas,Grauby:1987,Ocker:1987)
と書かれています。

野菜はその表面を水洗いしたり、煮沸してあく抜きをし、
穀物は精米や精製で外皮を取り除くことによって放射能をある程度除去できるということです。

(参考リンク)
●財団法人原子力環境整備センター">「食品の調理・加工による放射性核種の除去率」
http://www.rwmc.or.jp/library/other/file/kankyo4_1.pdf#search='食品の調理・加工による放射性核種の除去率'


                     ※


このような大きな災害時には、色々な情報が飛び交うものです。

身に降りかかる危険を考えるとどうしても気持ちが焦りますが、
大切なこの時期だからこそ、冷静な目で情報を取捨選択し、
できるだけ信頼できる情報を日々の暮らしに取り入れていくことが
大切だと強く感じます。

長い記事になってしまいましたが…
参考にしていただける方がひとりでもいらっしゃれば幸いです。


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心を落ち着けて、一歩先を見ながら…
明日を切り開いていけますように。


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by grandbleu2010 | 2011-04-05 01:55 | 日々のこと